おとーのアンマー ばあちゃんとエビフライ
最終更新日: 2024年09月24日
年を取ると「人に迷惑はかけたくない」と思う方は多いのではないだろうか
理想の老後生活とはどのようなものなのだろうか
ひとそれぞれ幸せのカタチは違う
現在ばあちゃんは介護施設で穏やかに過ごしている。コロナ禍で外出や面会することが制限されることが多く寂しい思いをさせてしまっている
ばあちゃんが施設に入所してから介護は施設の方にお任せして、私はできる限りばあちゃんと楽しむことにしている
ばあちゃんは好物のビックハートのエビフライを食べに行くという目標のもと、入所してからも足腰の訓練を頑張っていた。いつもお店の方やお客さんに助けてもらいながらなんとか席について美味しそうに食べていた。ドライブがてらマクドナルドでテイクアウトもした。後部座席に乗せて、ばあちゃんのお友達の家をまわったこともある。窓越しで数分の滞在だったがとても喜んでくれた。
最近はというと車いすでの生活になり、ぼーっとすることが増えてきたので外出はできていない。面会の時には大好きなヤクルトとコーラとポテチチップスを一緒にたべる
調子が良いときは「あんたは誰だったかねぇ。忘れたさぁ」とニカッと笑い意地悪を言って「子供達は元気か?」と聞いてくる
ばあちゃんとは施設にお世話になることになった当初いろいろあった。「帰りたい。お家で暮らしたい」というばあちゃんの希望を叶えることが難しく一緒にたくさん泣いた
次第ににばあちゃんは「孫を泣かせてはいけない」と我慢するようになった。ばあちゃんはいつも自分のことは二の次で家族やまわりのこと優先にしている
私が幼稚園のころだったか、ばあちゃんが旅行に行った時のことを聞いたことがある。旅先での写真をみせながら嬉しそうに話していた。ハルサー(農家)なので家を空けることはめったに無かったから、大切な思い出だったのだろう
ばあちゃんが直近で飛行機に乗ったのは15年くらい前だ。孫の披露宴に出席するために親族が大阪に集合した。電車が珍しいらしく、何度も線路沿い出かけては電車を見ていた。老人が線路わきに立って電車を見ていたら、通りすがりの人がびっくりしてしまうから止めるよう説得した時はみんなで大笑いした
ばあちゃんは土曜日の夜は必ず”世界ふしぎ発見”を見ていた。旅番組も大好きだった。もっと旅行に行きたかったのでは、いろいろな景色を見たかったのではないか
ばあちゃんもそうだが、どんな人でも自宅や慣れ親しんだ地域で暮らすのが一番の幸せなのだろうが、様々な事情からそうもいかなくなるのが現実だ
私はシニアを勝手に応援している。私がいうシニアとは定年退職されてからデイサービスに通うようになる前の方達だ
老いることは決して止めることができない。日常生活に人の手助けが必要になるまでに、自身のやり残したことや、新しいことにチャレンジしてほしい
私は生き生きとしたシニアを見るのが嬉しい
ただ決して穏やかに過ごすことを否定しているわけではない
孫の面倒をみて、ゆっくりと過ごすのももちろん良い
ただ、それが当たり前だとは思って欲しくないのだ
これまで子育てや仕事、または親の介護など背負ってきた荷がおりたのなら、遅くはない、今からでも!!!と思ってほしい
人はいつ何があるか誰にもわからない。介護は突然訪れることが多い。より良いセカンドライフとなるように微力ながら応援したいのだ。やりたいこと、やり残したことがある方の背中を押せたらと。これからも私は勝手にシニアを応援していく
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筆者紹介
名前:みやぎ
業界歴:国内大手保険会社で11年勤務
資格:2級FP(ファイナンシャル・プランニング)技能士
趣味:家庭菜園
座右の銘:ちゅぬ うんじぇ わしてえ ならん(人の恩じぇ忘してぇならん)
【意味】自分の恩はわすれても、人からの恩は忘れてはいけない
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